事故車は廃車より買取がおすすめ！その理由と高く売るコツを解説

事故に遭い車を損傷したら、廃車にするしかないと思うかもしれません。しかし、業者によっては事故車でも買い取ってくれます。
この記事では、スーパー整備工場のラチェットモンキーが事故車の買取について詳しく解説します。事故車の定義も明記しているので、ぜひ参考にしてください。

事故車の定義とは？該当する・しない基準

事故車とは、骨格（フレーム）部分を損傷し修理・交換した歴のある車を指します。この定義は自動車公正取引協議会・日本自動車査定協会・日本中古車販売協会連合会によって定められています。
なお、自動車業界においては事故車のことを「修復歴車」と呼んでおり、販売時などは必ず明記することが義務付けられています。続いて、事故車に該当する・しない基準についてより詳しく見ていきましょう。

事故車に該当する基準

「骨格部分の修理・交換歴がある車」を、事故車といいます。そして、骨格部分に該当する箇所は9個あります。

1.フレーム
2.インサイドパネル
3.ダッシュパネル
4.フロアパネル
5.ピラー
6.ルーフパネル
7.トランクフロア
8.クロスメンバー
9.ラジエーターコアサポート

これらの箇所を損傷し修理・交換していると、査定時に「事故車」と判断され評価が下がります。

事故車に該当しない基準

「骨格以外の修理・交換歴」に関しては、事故車に該当しません。例えば骨格部分以外の箇所には下記が該当します。

1.フロントバンパー
2.リアバンパー
3.ドア
4.ボンネット
5.フロントフェンダー
6.リアフェンダー
7.トランクリッド
8.サイドシルパネル

たとえ事故に遭遇したとしても、損傷した箇所が「骨格以外の部分」であれば事故車には該当しないのです。しかし自然災害で骨格部分を損傷した場合は、事故車として扱われます。

事故車を処分せず保有するリスク

損傷の程度によっては、事故車を保有し続けることもできます。しかし次のようなリスクが伴うので注意しなければいけません。

・年月が経つにつれて評価が下がる
・抹消手続きをしないと維持費が生じる
・運転時の不具合を起こしやすい
それぞれ詳しく見ていきます。

年月が経つにつれて評価が下がる

事故車を放置しているとサビが広がり、メンテナンスが困難になる恐れがあります。また、車は多数の部品で構成されていますが、運転しない間も年月の経過に伴い劣化していきます。査定時もマイナス評価になるため、可能であれば早めに処分する方がよいでしょう。

抹消手続きをしないと維持費が生じる

事故車を所有していると税金がかかります。運転しないからという理由で免除することはできません。もし税金を免除するなら、抹消手続きが必要です。手続きの種類や詳細は下記記事で解説しています。
一時抹消登録と永久抹消登録の違いについて教えてください

運転時の不具合を起こしやすい

運転できる状態の事故車だとしても、走行中に不具合を起こす恐れがあります。整備不良の車を運転すると道路交通法違反となり、懲役または罰金刑を課せられることも。

事故車は廃車にするより買取に出す方がおすすめ

損傷が大きく走行できないような事故車は、廃車にするしかないと思うかもしれません。しかし、業者によっては事故車を買い取ってくれます。なので、まずは一度無料査定を受けてみるとよいでしょう。

修理するか買取に出すか迷った時の判断基準

年式が比較的新しく走行距離も短ければ、修理して乗り続けるという選択肢もあります。しかし金属疲労や目に見えないような小さな歪みなどが原因で、事故前より耐久性は落ちます。また、修理費用も高額になるでしょう。

そのため、まずは日頃から付き合いのある業者に相談し、修理費用や買取額の査定をもらってみてください。また、複数の業者から見積もりをもらい比較するのもおすすめです。

なぜ事故車でも買い取ってもらえるの？

走行に問題がありそうな事故車が、なぜ買い取ってもらえるのか？その理由は主に2つあります。

・海外への販路を持っているから
・解体して部品を再利用できるから

それぞれ詳しく見ていきます。

海外への販路を持っているから

日本車は海外での需要が高いという特徴があります。そのため国内では取引が困難な事故車でも、修理すれば海外で販売できるのです。

解体して部品を再利用できるから

走行できないような損傷があっても、解体して再利用できる部品もあります。また、金属資源（鉄くず）として売ることもできるので、業者によっては積極的に事故車を買い取っています。

事故車を買取査定に出す時の注意点

もし所有している事故車を査定に出す時は、下記5つの点に注意してください。

・相場より査定額は低くなる
・無理に修理する必要はない
・複数の業者から見積もりをもらう
・事故歴（修復歴）は隠さず正直に伝える
・ローンが残っている場合は全額返済しなければいけない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

相場より査定額は低くなる

事故車（修復歴あり）は、通常の車と比べて半額ほどになると言われています。損傷の程度や他の部品の状態によっても上下しますが、少しでも高く売りたい方は複数の業者に相談するとよいでしょう。

無理に修理する必要はない

修理した方がプラス評価になると思われがちですが、決してそうとは限りません。状態を整えた方が査定額は上がりますが、修理費用が高額になると損をする恐れもあります。

複数の業者から見積もりをもらう

事故車を売る時は、複数の業者から見積もりをもらうことがポイントです。業者によって得意車種や販路が異なるので、事故車の査定額にも差が出ます。基本的に査定は無料で受けられるので、お気軽にご利用ください。

事故歴（修復歴）は隠さず正直に伝える

事故車を修理に出すと「修復歴あり」という扱いになります。しかし査定時に修復歴があることを伝えないと、契約不適合責任を問われる恐れがあります。大きなトラブルを防ぐためにも、必ず正直に伝えましょう。

ローンが残っている場合は全額返済しなければいけない

ローンが残っている場合、所有者は車の販売店やローン会社になっていることが大半です。そのため、残額を返済しなければ事故車を売却することができません。車検証の「所有者の氏名又は名称」を確認すれば、現在の所有者を把握できます。
なお、金融機関のローンを利用している場合、車の保有者が自分になっていることもあります。こちらも車検証を確認してから売却の手続きを進めましょう。

事故車の買取査定に関してよくある質問

事故車の買取についてよくある質問と回答をまとめました。

10対0の事故でも査定額は下がるのですか？

自分に過湿が一切なくても、事故によって修復歴がつくと査定額は下がります。価格落ちや事故落ち、評価損などと呼びますが、相手側の保険会社に補償を請求できます。
しかし、保険会社は評価落ちを認めないことが多いです。そこで必要になる資料が「事故減価額証明書」です。
「事故減価額証明書」とは、事故によって査定額が下がったことを証明する資料のこと。最寄りの自動車査定協会（JIAA）に申請することで発行できます。