車のバンパーのへこみを自分で修理するリスクとは？費用の相場も解説

車のバンパーにへこみが付いたとき、自分で修理するかプロに依頼するか迷うものです。修理費用を安くすませたいので自分で修理しようと思うかもしれませんが、取り返しの付かない結果になるリスクがあります。

この記事では、スーパー整備工場のラチェットモンキーが、自分で修理するリスクや、プロに依頼するメリットを解説します。

こんな時どうする？バンパーにできた傷ごとの対処法

飛び石で傷がついた、縁石に乗り上げてしまったなど、バンパーに傷がつくケースは様々。ここでは、傷ごとの対処法を詳しく見ていきましょう。

擦り傷ができた場合

小さな擦り傷があれば、カー用品店で販売されているコンパウンドやタッチペンで塗装できます。傷がついてる部分の油分を落とし、コンパウンドで磨いた後にタッチペンで塗装。最後にクリアコートをかければ完成です。
しかし仕上がりを気にする方や傷が広い・深い場合は、業者に修理を依頼する方がよいでしょう。

へこんだ場合

ブロック塀や柵にぶつけてバンパーがへこんだ場合、浅ければ自分で修理することもできます。ただし、へこみだけでなく擦り傷も一緒にできる場合が多いため、自分で修理するのは骨が折れるでしょう。

外れた場合

粘着テープで応急処置した後、業者での修理もしくは交換が必要です。外れかけであれば数千円ほどで済みますが、塗装などが必要な場合は3万円〜7万円ほどかかることもあります。

割れた場合

小さな割れであれば接着剤で修理できますが、範囲が広かったり複数箇所が割れていたりする場合は業者での修理が必要になります。

車のバンパーを修理する方法

車のバンパーを修理する方法は主に4つあります。

・ディーラに依頼
・カー用品店に依頼
・中古車販売店に依頼
・自分で修理

それぞれの詳細を見ていきましょう。

ディーラーに依頼

ディーラーで車を購入した場合、まずは担当者に相談するとよいでしょう。
ディーラーには専門知識と技術を持つ整備士が在籍しているので、安心して修理を依頼できます。
また、交換が必要な際は純正部品を使用するので品質や仕上がりに安心感があります。ただしその分、費用が高くなる傾向です。
品質や対応を重視する方に向いていると言えるでしょう。

カー用品店に依頼

より安くバンパーを修理したい方は、カー用品店に依頼するのがおすすめ。各地にチェーン店があるので、手軽に依頼しやすい点がメリットです。また、純正部品にこだわらなければ費用を抑えることもできます。
しかし、店舗によってスタッフの技術力の差がある可能性も。複数の店舗に確認してもらってから、依頼するかどうかを判断するとよいでしょう。

中古車販売店に依頼

自社で整備工場を保有している中古車販売店であれば、バンパーの修理に対応してくれます。業者によって技術力や対応、費用に差はあるものの使用する部品に関する相談も可能です。
そのため品質にこだわりたい方、そうでない方のどちらも依頼しやすいでしょう。ディーラーとカー用品店の中間というイメージです。

自分で修理

バンパーの傷やへこみが軽度であれば、自分で修理することもできます。市販の修理キットを使ったり、ドライヤーで温めたりなどの方法がありますが、元通りにならない恐れも。
かえって傷が目立つ可能性もあるので、バンパーの修理はプロに任せる方が安心です。

バンパーの小さなへこみ傷は自分で修理できる？

小さなへこみであれば、自分で修理することもできます。ただし、繊細な作業が求められるので満足のいく仕上がりにならない恐れも。
そのことを理解したうえで、下記の方法をお試しください。

・ドライヤーを使う
・お湯を使う
・吸盤を使う

それでは、詳しい方法を見ていきましょう。

ドライヤーを使う方法

へこんでいる部分にドライヤーの熱をあて、その裏から押し出すことで元に戻す方法です。バンパーの素材が樹脂であれば、ドライヤーの熱で柔らかくなるのでそれを活用する形です。
ただし、素材が金属の場合は温めた後に、冷却スプレーなどで冷やす必要があります。金属は急激に冷やされると元に戻ろうとする性質が働きます。なので複数回この作業を繰り返すことで、少しずつへこみが直っていきます。

お湯を使う方法

お湯の熱を使って直す方法です。素材が樹脂の場合のみ使える方法で、熱湯をかけて柔らかくし、裏から押し出します。
金属の場合は熱湯で直すことが困難なので、業者に依頼する方がよいでしょう。

吸盤を使う方法

カー用品店やホームセンターに行くと「バキュームリフター」や「バキュームカップ」という道具が販売されています。価格は1,000〜2,000円ほど。
ドライヤーの熱で温め、そこに吸盤を付けて引っ張ります。へこみが戻ってきたら冷却スプレーで冷やして作業は完了です。

車のバンパーを自分で修理するリスクとは？

例えば市販の修理キットを使う場合、専用ブリッジでバンパーのへこみを引っ張り出すのですが、その際に電飾部品やケーブルを傷つけてしまうかもしれません。
板金の裏は電飾パーツが多くついているため、プロでも慎重に修理を進めます。もし電飾が傷つき故障した場合は、数万円の費用がかかります。
また、ドライヤーで温めて修理する方法もありますが、樹脂が変形したり塗装が焼けたりすることがあります。バンパーが変形したら全交換、塗装が焼けた場合はパーツ全体の塗装が必要なので、余計に費用がかかってしまいます。

バンパーの修理はプロに任せる方が安心

自分でバンパーの傷やへこみを修理するリスクを考えると、プロに依頼する方がよいです。整備工場に在籍しているスタッフが、あらゆる傷やへこみを修理してきた経験と、その中で培った技術があります。
例えばへこみを修理するためには、歪んだパネルを正常の高さまで戻し、パテ塗装と研磨をしていきます。ほかの板金部分と色の差が出ないよう、塗料の構成を判断して作業を進めます。
そして修理が完了すると、傷やへこみがわからないほどキレイな仕上がりになるのです。

車のバンパーの修理費用と所要時間はどれくらい？

バンパーの修理にかかる費用と時間は、程度によって異なります。軽度な傷やへこみであれば半日〜1日ほどで終わりますが、重度の場合は1週間以上かかることもあります。
また、修理費用の目安は3万〜7万円ほどを見ておきましょう。依頼先や車種によって差があるので、複数の店舗で見積もりをもらい比較検討することをおすすめします。

交換の場合は修理費用より高額に

バンパーを丸ごと交換する場合は、発注や取り寄せなどの工程が発生します。修理よりも高額になり、費用の目安はフロント・リアバンパーともに10万円ほど。
高額だから交換しないで乗り続けようと思うかもしれませんが、傷が広がったり、サビが内部まで侵食したりする恐れがあります。車の安全性に関わってくるので、スタッフと相談しながら対処を判断しましょう。

車のバンパーにできた傷を放置するリスク

バンパーにできたへこみや傷を放置しておくと、周辺の塗装が剥がれたりサビが発生したりします。劣化を進める原因になってしまうので、放置するのは避けた方がよいです。

修理か交換か迷った時の判断基準

修理して元に戻すか、丸ごと交換するか迷った時はプロに相談するのが安心です。修理・交換費用の見積もりは無料でもらえるので、複数の店舗を比較する材料にもなります。

車のバンパーの修理に関してよくある質問

車のバンパー修理に関して、よくある質問と回答をまとめました。

Q.修理に保険を適用できますか？

加入している保険の種類によっては、保険で修理できます。ただし、エコノミー型の車両保険の場合、下記の事故が保証外になっています。

・当て逃げ
・単独事故（自損事故）
・自転車との接触事故
・他車と接触・衝突事故
・自然災害（自身・津波・噴火）
・転覆・墜落

また、交通事故証明の提出を求められるケースがあります。その際は警察に連絡し、証明書を発行しましょう。
なお、保険で修理すると等級が下がるので注意してください。